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海を渡る卵「まんげつ」 Re-Start:ゼロからの再挑戦

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2015年02月02日 

三栄鶏卵株式会社(GP センター:愛知県岡崎市日名西町、代表取締役社長:市川尚宏)は、2012
年4 月にシンガポール政府より輸入承認を頂き、同年7 月に中部地方から初(日本では4 番目)となる
生卵(パック卵)の輸出(中部国際空港から空輸)を開始しました。日系百貨店(伊勢丹シンガポール)でのみの販売で、毎週一回の定期空輸を継続し、当初よりの目標月7000個を店頭試食プロモーション実施などの販促で達成し、次期計画10,000 個を達成すべく新たに外食向け販売ルートを構築し、昨年11 月よりはじめたばかりでした。いみじくも「さあ、これから!」という矢先に、怖れていた鳥インフルエンザ(AI)が続けざまに発生(今冬国内5 例)してしまいました。
現在沖縄県以外の日本産鶏卵のシンガポール輸出が停止しています。(動物検疫所が輸出検疫証明書
の発行を停止しており、出荷できない状態)
これは、シンガポール政府との取り決めで、輸出国では輸出前3ヶ月間、高病原性鳥インフルエンザ
が発生していないことが条件となっているためです。
さて、当然弊社も輸出がストップしてしまいました。昨年12 月30 日フライトを最後に2 年半続い
た輸出は、この1 月一度も海を渡ることはありませんでした。… 遂に売上減どころか「0」となっ
てしまいました。輸出リスクとして想定していたとはいうものの、大打撃=ダメージです。中小企業
にとっては、この上ない非常事態に見舞われてしまいました。ただ、ただ、早期の終息を祈るばかり
です。
しかしながら、わたしたちはここで立ち止まることなく、これをチャンスと捉え、新たな戦略をた
てるべく取り組みを始めました。

1.商品特性の確認 … 配合飼料設計、パッケージデザイン、「日本産」のアピール度
2.販売プロモーション手法の検討 … 店頭試食、広告媒体利用、SNS 運用
3.外食向けアプローチの手法 … 展示会、シェフによる料理試食会
4.生食用鶏卵以外の販売の可能性 … 加工品(惣菜・スイーツ菓子)
5.現地シンガポールでの「まんげつ」ブランドの保護 … 商標登録(今月同地で登録承認)

発生地区での防疫措置(移動制限解除)完了後、90 日後に出荷可能ですので、このまま続出しなけ
れば4 月下旬にも再開できるものと思われます。
また一方、鶏卵業界では、政府主導による農産物の積極的な海外進出を図るべきとする日本畜産物
輸出促進協議会が設立され、その分科会が日本養鶏協会内にも準備される動きがありあます。わたし
たちは、中部地区における鶏卵輸出のパイオニアとして決して奢ることなく真摯に取り組んでまいり
ます。
TPP に先んじて販路の拡大をめざした海外輸出でしたが、ここでもう一度一からの再チャレンジを
始めてまいります。
わたしたちの思いは、待っていてくださる(くださるであろう)現地の方々や在留邦人の方々のため
にも「日本の安全・安心なたまご」を、そのおいしさとともにお届けしたいということです。これか
らも他の地域(東南アジアに限らず)にも積極的に日本産農産物としてのたまごを紹介し、挑戦して
まいります。

▼プレスリリースPDFはこちら▼
海を渡る卵_リスタート150128